革靴の色修正
2022年07月20日
今回は、靴の色掛けについてご紹介します。
汚れたので、革靴を綺麗にするために洗った状態です。
革の表面が擦れてしまって、ざらざらになって色が抜け、白くなっています。
このままでは、履くことが出来ませんので、メンテナンスをいたします。
今回はリメイクで色掛けをいたしました。
顔料で塗装された革のため、綺麗に補色が出来ました。
色掛けをすると樹脂が革の上に乗る(塗装のようなイメージ)になりますので、表面のざらざら(ヌバックになった状態)になった革も、厚塗りするとある程度平らになります。
また、革をコーティングすることになるので、汚れや水分の侵入を防ぎ、革の劣化も抑えることが出来ます。
これでまだまだ使えるようになりますね。
アニリン染めなどの染料で染めた靴について
モカシンなどの染料で染めた革は、顔料で染めると艶のある塗装した感じの靴になってしまい染料独特の透明感のある風合いが損なわれます。
キズやムラになった色を整えるには、顔料でリメイクするしかありません。
ご理解のほどよろしくお願います。
染料染めの革を染料でリメイクする方法もございますが、色が剥げている部分と剥げていない部分の差が埋まらないこともあり、現状よりも濃い色に染め替えということになりかねません。
染料は入れれば入れるほど(染める回数が多いほど)色が濃くなってしまいます。
アニリン染めの靴を顔料でリメイクした例
靴のメンテナンスについて
靴のメンテナンスには、磨き・洗い・リメイクとがあり、どれも大切な革靴を長く履くためのお手入れです。
当店は、クリーニング店ですが、靴の磨き、洗い、リメイク、修理をを行っています。
1週間~2週間ほどお預かりして、全てのメンテナンスを承ることもございます。
靴の状態によってどんなメンテナンスが必要かを判断することも大切ですが、料金もかかりますので、お客様のご要望によって「磨き+リメイク」「洗い+リメイク」「修理+リメイク」などのご依頼を承っております。
靴洗いについて
革靴の洗いをすると、磨きも行います。
そのため、洗いをご依頼されると靴磨きも行います。
※洗いの注意点について
艶消しの靴について
靴が艶消しの場合は、洗い後の磨きで艶が出てしまいます。
キズがあったり、汚れていたりすると、元の艶状態が分からない場合もあります。
ご依頼時には、艶消しなので、「洗いのみで磨きなし」、「色かけ修理なし」、「キズ修正なし」など、靴の仕上がり希望をお伝えいただけると幸いです。
艶を出した靴を艶消しに戻すには大変な時間と手間がかかる場合がございます。
ご協力のほどよろしくお願いいたします。
マルエイクリーニング
前田俊雄