合皮の靴が色褪せリメイク
2014年07月01日
紳士靴は、先端傷が気になると履けませんね。合皮をリメイクすると綺麗に使えるようになりますよ。右側がBefore 左側がAfter です。店頭に展示しておりますのでぜひご覧くださいね。合成皮革の靴は、先端が擦れることが多いですね。 でも、捨てるには惜しいです。 私もリメイクで7年以上、合皮の靴を履いています。(ゴアテックスの紳士靴) このように表面にしわがほとんどない合成皮革は、リメイクすることが出来ます。
○丸洗いは、靴表面と内側、染み込んだ汚れを取り除きます。丸洗い1,500円+黒色リメイク(×1.5)=2,250円
○磨きは、靴表面の汚れを取り、綺麗に仕上げる方法です。磨き600円+黒色リメイク(×2)=1,200円
※上画像は、紳士靴の合皮が削れてしまったケースです。しわのほとんどない合成皮革はリメイクで修正出来ます。 合成皮革の革に似せたしわや、全体的に劣化で合皮がめくれたり、剥がれてしまっている場合は直すことは難しいです。 このような劣化で基材から剥がれたポリウレタン樹脂は、丸洗いをしたり、顔料を塗布すると、さらに加水分解(劣化)が進んで剥がれやすくなるからです。 部分的に合成皮革が縫いこんである場合などは「合皮復元加工」が出来るかもしれません。
<合成皮革(合皮)の劣化について>
合皮の寿命は、2~3年と言われておりますが、合成皮革にはいろいろな種類(※1)があり、長く使えることもあります。
合皮の劣化症状は、めくれたり、ドロドロになったり、硬くなって白化したり、さまざまです。 合皮の寿命は、保管状態や使用状況・可塑剤の種類などいろいろな条件で変わってきます。 そして、高温多湿の日本では、合皮は加水分解を起こしやすく、ヨーロッパ大陸ように湿度が少ない地域ですと、長く使えるようです。
<合成皮革(合皮)の構造と特徴について>
合成皮革は、編物や織物をベースに、樹脂を厚く塗り、接着剤で貼り合わせています。また、樹脂層の表面は、天然皮革のようにシワを人工的に作り出すことが多く、樹脂層にはポリウレタン樹脂が用いられ、使用状況や保管方法で寿命が大きく異なってきます。
ポリウレタンは、湿気に弱いため、雨や雨の多い時期には湿気を帯びないように注意が必要です。 日光や熱にも弱いので高温のアイロンやスチームも気をつけなくてはなりません。 保管は、湿気のない光が当たらない風通しのよい場所に、また、ビニールなどで密閉するのは良くありません。
合成皮革の洗いは、ポリウレタン樹脂には水分をほとんど含まないドライクリーニングが良いとされているのですが、樹脂層が塩化ビニールの場合は、溶剤で可塑剤が抜けて硬化します。このポリウレタンと塩化ビニールの区別は表示がないので、長い経験が無いと判断が難しいです。
当店では、合成皮革を水で丸洗いする場合、素早く、水分をなるべく取り除いてから低温乾燥をいたします。 丸洗いは、汗の汚れを取り、消臭・除菌も出来るので、丸洗いをしてから、リメイクをする「フルメンテナンスコース」がおすすめです。
当店では、合皮の劣化の症状を判断して、適切な処置をいたします。もし、洗えない場合は、磨きや表面洗浄などのメンテナンスをいたします。お気に入りの靴は、あきらめないでご相談くださいね。(※1)合成皮革
織布・編布・不織布またはそれらを起毛加工、樹脂含浸加工をし、皮革の断面構造に似せています。- 乾式タイプ:
- 基布の起毛を利用しクッション層としてウレタン塗料を塗布し表皮とする方法。また、発泡剤を混入したウレタン塗料を反応させクッション層を成形させる方法。
- 湿式タイプ:
- ウレタン樹脂に、水に溶ける溶剤を混ぜ直接含浸し、水・温水中をくぐらせることで微多孔層を形成し中間層とする。
- 銀付タイプ:
- 基布上にウレタン樹脂を塗布、表面層を形成する。
- スエードタイプ:
- 湿式タイプをパフィングしたもの。